MENUMENU

健康コラム

Vol.3 メタボリックシンドローム

~もうメタボとは言わせない!今日から守る3カ条~

テレビや雑誌などで「メタボ(メタボリックシンドローム)」という言葉をよく耳にするようになりました。「メタボ=太っている人」と認識していませんか?メタボリックシンドロームは太っているという見た目だけの問題ではありません。今回は、メタボリックシンドロームとはどのようなことなのか、また、なぜ危険と言われているのか、を解説していきます。

【メタボリックシンドロームとは?】

メタボリックシンドロームは、「内臓脂肪症候群」ともいわれ、内臓脂肪型の肥満に該当し、かつ、血圧、血糖値、血清脂質(血液中に含まれる脂質)にも異常がある状態を指します。治療を必要とするほど数値が高くなくても、動脈硬化※が進行しやすくなり、心臓病や脳卒中などの大きな疾患を招きやすくなってしまいます。単に太っているだけ、腹囲が大きいだけがメタボリックシンドロームではないのです。もし、お手元に血液検査の結果をお持ちの方は、以下をチェックしてみましょう!



<メタボリックシンドロームの診断基準>
メタボリックシンドロームの診断基準

※動脈硬化…血管の壁が硬く変化するとともに、血管壁が厚くなり血液の流れが悪くなってしまう病態です。動脈硬化が進むと、心筋梗塞や脳梗塞につながりやすくなります。


【メタボリックシンドロームは何が怖いの?】

メタボリックシンドロームが怖いのは、自覚症状がほとんどない点にあります。メタボリックシンドロームは肥満に加えて高血圧や高血糖、脂質代謝異常など複数の要因が重なっているので、さまざまな症状が現れるだろうと誤解していませんか? 実は、症状がない、血液検査値もそれほど悪くないということが少なくありません。そのため危険な状態が進行していると気付かず、つい放置してしまう人が多いのです。いつの間にか動脈硬化が進行して、ある日突然心臓発作や脳卒中が起きる!?と考えるととても怖いですよね。
ちなみに、メタボリックシンドロームがきっかけとなって引き起こされる危険性のある疾患は、こんなにもあります!
高血圧・糖尿病・脂質異常症・虚血性心疾患・脳血管障害・高尿酸血症・腎臓病・認知症・がん など

図表2

【メタボリックシンドローム予防・改善のための3カ条】

メタボリックシンドロームの予防・改善には、日々の生活習慣の見直しがとても重要になります。今日から次の三つを意識してみましょう!

1.体重管理をしましょう

BMI(ボディ・マス・インデックス)という言葉、どこかで一度は聞いたことがありませんか? これは肥満度を表す指標として国際的に用いられている物差しです。同じ体重でも、身長の違いによって肥満の程度が違いますよね。この体重と身長の関係から肥満度を見るのが、BMIです。BMIは以下の方法で算出できます。

BMI = 体重(kg) ÷ 身長(m) ÷ 身長(m)


皆さん、BMIは幾つになりましたか?
日本肥満学会の定めた基準では、18.5 未満:低体重(痩せ)、18.5~24.9:普通体重、25以上:肥満、と分類されています。BMIが22になるときの体重が標準体重で、最も病気になりにくい状態であるとされています。BMIが25以上になると、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病のリスクが2倍以上になるといわれています。
減量しなくては!と感じた方は、まずは現体重の5%を3~6か月程度かけて減量することを目標としましょう。これだけでも内臓脂肪は減るといわれています。徐々に血圧や血糖、血清脂質の値にも改善が見られてくると思いますよ。
※疾患のある方、高度肥満の方は、主治医や管理栄養士に相談することをお勧めします。

2.食習慣・運動習慣を見直しましょう

減量をするためには、やはり食事と運動の見直しが欠かせません。個人に合った適切な減量方法がありますので、ここでは気を付けたい食習慣とちょっとしたコツの紹介にとどめておきますね。自分に合った減量法について詳しく知りたい方は、ぜひお近くの管理栄養士に相談してみてください!

  • 1日3食、主食・主菜・副菜をバランス良く食べましょう!定食のような形がおすすめです。
  • 早食いはせずに1食30分は時間をかけてゆっくり食べましょう。海藻類や根菜類など、よくかむ食材を取り入れて、味わうことを楽しみましょう!
  • スナック菓子や揚げ物、ファストフードを食べる回数を減らしましょう!これらを食べる回数を減らすだけで、エネルギー摂取量のダウンにつながります。
  • アルコールは適量を守りましょう! ビールの場合、1日に中瓶1本(500ml)までが目安です。

3.心身共にいたわりましょう

ストレスや精神疲労もメタボリックシンドロームの危険因子です。ストレスは食欲を高め、肥満を招きます。精神疲労は熟睡を妨げる原因にもなります。睡眠不足になるような生活は運動不足にもなりがちです。ストレスや精神疲労を起こしている問題をできるだけ早く解決して、十分な休養と睡眠を取って心身を休める時間も上手につくっていきましょう。


メタボリックシンドローム早期発見のためには、定期的な健診を受けましょう。元気だからといって健診を受けないのではなく、元気なときにこそ健診を!
年に一度は必ず受けるようにしてくださいね。

<今回のポイント>

メタボリックシンドロームとは言わせないための3カ条!

  1. 体重管理をする:肥満の場合は減量しましょう。
  2. 食習慣・運動習慣を見直す:毎日の少しの頑張りの積み重ねで体も変化していきます。
  3. 心身共にいたわる:休息の時間を大切にしましょう。
    メタボリックシンドローム予防のためには、現在の体の状態を知り、日々向き合うことがとても重要になります。ご自身の体を一番に考えて生活しましょう。

「健康ごはんPart2」詳細



「健康ごはん」詳細



健康相談から生まれた薬樹の管理栄養士のレシピ本

著者:薬樹

ページの先頭へ