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健康コラム

Vol.1 血糖値と食事

~血糖値の新常識 血糖値を上げにくい食事を目指すには~

初回のテーマは「血糖値」。血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖の濃度のことです。食事で取った食物は消化吸収され、ブドウ糖となり、血液に入ります。血糖値が上昇すると「インスリン」というホルモンの働きにより、ブドウ糖は体の細胞に取り込まれ、エネルギー源として使われます。

【血糖値が高い状態だと何が起こる?】

年を重ねるにつれ、インスリンの分泌が少なくなる一方で、インスリン自体の働きが悪くなり、高血糖になりやすくなるといわれています。高血糖状態が長期間続くと、全身の血管がダメージを受け続け、さまざまな合併症を引き起こす可能性があります。また、血糖値の急激な上昇も血管の老化や肥満を助長させます。血糖値を緩やかに変動させることによって、病気になりにくい体、太りにくい体を目指しましょう。今回は、血糖値を緩やかに変動させるための食事のポイントについてご紹介します。

【血糖値を緩やかに変動させる食事とは?】

お伝えしたいことはたくさんあるのですが、まず重要になるポイントは2つです。それは、「1日3回食べる」「バランス良く食べる」ことです。そんなことか~、という感じですよね。ですが、血糖値の観点から考えるとこれがとても重要なことなのです。

【なぜ1日3回の食事が良いといわれるのか?】

まずは1日3回の食事をした場合の血糖値の変化を見てください。(図表1)
朝食、昼食、夕食を食べるたびに血糖値が同じくらいずつ緩やかに上昇しているのが分かります。
次に、朝食を欠食した場合の血糖値の変化です(1日2食にした場合)。(図表2)

図表1
図表2

グラフは血糖値変動の目安です。
Copyright©2018 Social University Corporation. All Rights Reserved


朝食を抜いたため、血糖値が少し低い状態のまま昼食を迎えます。ここで、昼食を取ると、急激に血糖値が上がります。
健康な人の場合、血糖値が急激に上昇すると、一気に分泌されたインスリンがブドウ糖を体の細胞へ必死に取り込みます。取り込まれたブドウ糖のうち、エネルギーとして使われなかった分は脂肪に変わるのです。
では、間食をした場合はどうでしょうか(昼食後、夕食後に間食した場合)。(図表3)
血糖値を上昇させるタイミングが増えることにより、血糖値が下がりきらない状態で次の食事を迎えます。これをきっかけに、1日の血糖値が高い状態で推移することになります。この状態が頻繁に続くと、高血糖状態につながっていくのです。

図表3

※グラフは血糖値変動の目安です。
Copyright©2018 Social University Corporation. All Rights Reserved

【バランス良く食べると血糖値が上がりにくい?】

3大栄養素である「炭水化物」「たんぱく質」「脂質」。血糖値が上がりやすいのはどの順でしょうか。一般的には、血糖値が上がりやすいのはエネルギーになりやすいご飯やパン、麺類、果物、砂糖などの「炭水化物」を多く含む食品だといわれています。次に、「たんぱく質」を多く含む肉類や魚介類、卵、乳製品、大豆製品など、そして油を多く含む食品の「脂質」と続きます。(図表4)
例えば、炭水化物のみを取った場合、食後2時間までの間にグンと血糖値が上下しますが、一緒にたんぱく質や脂質を取ると、比較的時間をかけて緩やかに血糖値が変動するようになります。さらに「食物繊維」を足してみましょう。血糖値はゆっくりと上がり緩やかに下がっていきます。3大栄養素+小腸からの糖の吸収を穏やかにする食物繊維を組み合わせることによって、血糖値の上がり方は大きく変わるのです。(図表5)

図表4
図表5



プラスで、食べる順番も意識してみてください。よく野菜から先に食べると良い!といわれますね。この野菜の意味するものは食物繊維です。野菜のほかにも、海藻類やきのこ類にも食物繊維がたっぷり含まれています。最初に食物繊維、次にたんぱく質・脂質の多い魚・肉料理、最後に炭水化物のご飯、これが血糖値を一番上げにくい食べ順といわれています。食事も科学ですね。

<今回のポイント>

血糖値を上げにくい食事とは、

  • 1日3回(朝、昼、夕)規則正しく食べる。
  • 炭水化物を多く含む食品(ご飯・パン・麺類等)、たんぱく質・脂質を多く含む食品(肉・魚・卵・乳製品・大豆製品等)、食物繊維を多く含む食品(野菜·海藻類·きのこ類等)のそろったバランスの良い食事を心掛ける。
  • 食物繊維、たんぱく質・脂質、炭水化物の順に食べる。

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