【薬剤師コラム】    新型コロナ禍の食中毒対策

【薬剤師コラム】    新型コロナ禍の食中毒対策
薬樹株式会社 薬剤師坪内 理恵子
変異株のイメージ

 新型コロナ感染症対策と向き合って3回目の夏となり、夏休みを前に第7波が到来しました。
 そんな中、今年は過去最速の梅雨明けとなり、本格的な暑さとともに食中毒の危険も最速でやってきてしまいました。一般に「食中毒」の原因が冬場流行の「ウイルス」から夏場流行の「細菌」に移り変わるのは、この梅雨時期になります。

【テイクアウト・デリバリーはすぐ食べよう!残さず食べよう!】
 新型コロナ禍でテイクアウトやデリバリーでの食事調達が増え、いつもは店内で提供しているメニューを急遽お持ち帰り用に販売している店舗も見受けられます。店内飲食では出来立てを戴きますが、テイクアウトやデリバリーでは調理から時間が経ち、さらに家で「食べ切れないから残りは後で・・」となるともっと時間が経ってしまいます。室内とはいえ、気温や湿度が高いこの時期は特に食中毒に注意が必要です。
 販売側は、容器の選択・調理方法・販売時の保管状況(調理した食品は速やかに10℃以下まで冷やすか、65℃以上で保管)・販売量に注意し、購入側は、「すぐ持ち帰る」「すぐ食べる」を心がけましょう。

 厚労省の「食中毒発生状況」の報告を新型コロナ感染症警戒前の2018年と、警戒下の2021年で比べてみました。その年の流行や、外食が減ったこともあるとは思いますが、2021年は2018年よりも発生件数がグッと減っていました。
 これは新型コロナウイルス感染対策として皆さんが「手指衛生
(石鹸手洗い)」を徹底している現れでしょう。改めて、食中毒予防にも「手指衛生(石鹸手洗い)」の徹底が大切と言えると思います。

  
■グラフは「厚労省:食中毒統計資料」より集計し作成https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/04.html

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