新型コロナウイルス感染症（COVID-19）は、変異株の脅威も加わり、さらに拡大しています。一方でCOVID-19ワクチン接種が開始され、その普及が感染拡大防止の切り札と期待されています。各自治体での接種はファイザー社のコミナティ筋注（16歳以上、21日間隔で2回接種）、東京・大阪の大規模会場ではモデルナ社のTAK-919（18歳以上、28日間隔で2回接種）が予定されています。
（接種ワクチンは1回目と2回目は同じものを選択してください。1回目と2回目で異なる場合、発熱・だるさ・悪寒のリスクUPの報告があります1))
　いずれのワクチンも効果とリスクが相まっています。正しく内容を理解して、接種するか否かはご自身で判断をお願いいたします。

ワクチンの効果

　COVID-19ワクチンは、重症化や咳や熱などの症状（発症）を防ぐ効果を持っています。感染を予防する効果は評価されていません。 つまり、ワクチンの有効率 90%というのは「90%の人には有効で、10%の人には効かない」 もしくは「接種した人の 90%は罹らないが、10%の人は罹る」という意味ではありません。 接種した人（接種群）と接種しなかった人（非接種群・対照群）の発症率を比較して、「接種しなかった人の発症率よりも接種した人の発症率のほうが90%少なかった」という意味です。発症リスクが、0.1 倍つまり 10 分の1 になるとも言えます。 但し、COVID-19 ワクチン接種者でも発症しない感染が起き、気道から 新型コロナウィルス（SARS-CoV-2） を排出する無症状病原体保有者として感染源になる可能性は考えられます。
　さらに、これらの臨床試験の観察期間は 100～150 日という短期間であるため、どのくらいの期間ワクチンによって防御免疫が維持できるかという免疫持続性についての評価がまだできていないことにも注意が必要です。（以上、一般社団法人日本感染症学会 ワクチン委員会 COVID-19 ワクチンに関する提言 （第 2 版）より抜粋）

　ワクチン接種後も、蔓延が落ち着くまではマスク・手洗いは続けましょう！

YouTube はたらく細胞「感染予防編」日本語版（厚生労働省・Ⓒ清水 茜／講談社）
https://www.youtube.com/watch?v=z-d8Nxbpbms

ワクチンの副反応

　ワクチンの副反応とは、ワクチン自体によって誘導された健康上不利益なことまたはそれが疑われるものですが、副反応がまったくないワクチンはありません。
既に報告されているCOVID-19ワクチンの主な副反応は、頭痛、関節や筋肉の痛み、注射した部分の痛み、疲労、寒気、発熱等があります。また、まれに起こる重大な副反応として、ショックやアナフィラキシーがあります。
　接種後に発熱や痛みが出たらアセトアミノフェンや非ステロイド性解熱鎮痛薬を使用す ることは可能です。
　但し、発熱・疼痛の出現する前にあらかじめ内服しておくことは望ま しくありません。解熱鎮痛薬をあらかじめ使用することでワクチンの免疫原性が低下する という報告もあり ます。接種後の発熱や疼痛は一過性のものであり、ワクチンによって免疫が誘導されている ことを示す症状です。

　今回のCOVID-19ワクチンは、どの種類でも人が初めて摂取するワクチンです。 どのような副反応が、どの程度、どのくらいの期間続くのか？接種後の健康チェックをしていきましょう。接種後に気になる症状がある場合は、接種医あるいはかかりつけ医に相談しましょう。
　また、ワクチンの接種によって健康被害が生じた場合には、国による予防接種健康被害救済制度があります。（厚生労働省HPより）

ワクチン予診票の「血液サラサラの薬」について

　COVID-19ワクチン副反応の一つに、「出血したら止まりにくくなる」ことがあり、「血液サラサラの薬」を服用している場合は、接種前に休止する必要はありませんが、予診票に薬剤名を記入することになっています。接種会場には予診票と共に、お薬手帳の持参をお勧めいたします。また、薬局で薬をもらう際にチェックしてもらうこともお勧めです。
　薬樹薬局では、お薬交付時以外でもお薬手帳と予診票をご持参いただければ、どなたでも確認いたします。お気軽にご相談ください。