感染対策は整理して実行を

感染対策は
整理して実行を

薬樹株式会社 薬剤師坪内 理恵子

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大は留まるところを知らず、日本も世界もWithコロナ社会となりました。
でも、世の中の感染症はCOVID-19だけではありません。もうすぐインフルエンザを警戒する季節もやってきます。
 感染対策をあれもこれもやっていくことは、とてもエネルギーのいることで、大事なこととわかっていても、不安と緊張で疲れてしまいます。  今一度、何が大切なのか整理して、正しく怖がりましょう。

 感染症の予防と治療を進めていくうえで、その対策の原則は「うつさない・うつらない・拡げない」です。
 情報が溢れて混乱しがちだと思いますが、「なぜ」「いつ」「どこで」「だれが」「なにを」「どのように」「いつまで」5W1H1Pを確認すると、今やる事の意味や目的が見えるようになります。

 対策を整理する上で、大切と思われるのが下記2つです。

マスク

 マスクは「布マスク」「サージカルマスク」「N95マスク」があります。私たちが日常で使用するのはサージカルマスクや布マスクです。
 理化学研究所は2020年8月24日に、スーパーコンピューター「富岳」を使った、マスクによる飛沫拡散防止効果の計算を公表しました。

 それによると、マスクをして咳をした場合、不織布マスク>ポリエステル相当マスク>綿相当布マスクの順で飛沫拡散を防ぐとのことでした。
 新型コロナウイルスは主に飛沫感染(飛び散る粒子は直径50μm)なので、日常生活では、布マスクでも予防効果は期待できるということですね。
 でも、密集度によってはリスクが高くなることもありますから、「どこで」が大切。自分が腕を伸ばした時に、他の人がいる場合はより効果の高いマスクがお勧めです。
 マスクは、「近くで会話する時や密閉した空間に長く居る場合、感染の予防をするために必要」です。
 暑さ対策と併せて5W1H1Pを考えましょう。

手指衛生

 手指衛生は大きく「石鹸手洗い」と「擦式消毒」に分けられます。こまめな石鹸手洗いができないときは、アルコールの手指衛生をしましょう。
 また、洗剤での洗濯は新型コロナウイルス不活化に有効との報告もあります。洗濯もこまめに行いたいですね。

医薬部外品および雑貨の新型コロナウィルス(SARS-CoV-2)不活性効果について-北里研究所HPより-

感染対策は「継続すること」が大切です。新型コロナウイルスの影響が長期化した今、そのためには「いたわりあう心がけ」も必要です。ぜひ、対策のひとつとしていただけますと幸いです。